厚紙にフエルトや金箔などが施されるなど一風変わった印刷物を誰しも一度は見たことがあるでしょう。一般的な印刷は紙の表面にインクを落として印刷しますが、ここで紹介するのは特殊な印刷技法です。文字やデザインを立体的に表現した印刷物は他の印刷技法ではマネできない独特の質感や光沢を持っています。名刺やギフトカード、結婚式の招待状など特別感を出したい印刷物に多く見られます。
インクを使わず金属で仕上げる印刷技法 ～箔押し印刷・箔押し技法～
インクを使わない印刷技術。それが箔押し印刷です。印刷面に金属の箔を施し、金属的な質感と輝きを与える箔押し加工。同時に紙に凹凸をつけることで、あたかも金属を盛り上げたかのような豪華で繊細な表現が可能となっています。キラキラと光り過ぎないよう、適度に光沢を抑えて気品や渋みを加味する技法にも人気があります。
また、同様の技術を使って紙に凹凸だけをつけ、独特な質感を表現するエンボス加工や、用紙の側面を彩る天金加工も印刷物の付加価値を大きく引き上げます。賞状、招待状、特別なDMなど、他と明確な差別化をはかりたい高級志向の印刷物には欠かせない技法といえるでしょう。
箔押し加工のDM
箔押し加工は金属光沢が強いため、高級感を演出する加工として最適です。箔には多くの種類があり、金属光沢のある色箔や、つや消しの金銀、ホログラム箔。光沢のない色箔の顔料箔などがあります。
水が流れるような滑らかさが特徴的な印刷技法 ～バーコ印刷～
流体の魅力。文様・テクスチャを立体的に表現
バーコ印刷は印刷物の表面に樹脂を盛り、滑らかで立体的な文様・テクスチャを表現できる印刷技法です。その艶やかさ、流れる水の時間を止めたような質感は他の技法では真似ができません。光のあたる角度によって輝きが変わり、立体の流面ならではの存在感を主張します。名刺、招待状、ギフトカードなど、鮮烈なメッセージを伝えたい印刷物にぜひお使いください。
河内屋(カワチヤ)の技術は、バーコ印刷をさまざまな用紙や他の特殊印刷と組み合わせることにより、さらに効果的なビジュアル演出を可能としています。今までにない斬新な印刷物をお求めの方はぜひ私たちにご相談ください。
オンデマンド+バーコ加工
バーコ加工はオフセット印刷のインキ上に行いますが、フルカラー印刷の場合は割高になってしまいます。そんな時はカラーをオンデマンドで印刷してその上にバーコをかけると大変お得。ただし見当精度が甘いため1mm以内のズレはご了承下さい。また、ベタ面は変色の可能性がありお勧めできません。オンデマンド対応用紙のマシュマロでご提供致します。
独特の深い色合いと艶が際立つ印刷技法 ～UV厚盛り～
どこまでも深い色と艶。「世界観」を表現したい印刷物に。UV厚盛りとは、UV（紫外線）を照射して一瞬で樹脂インクを硬化・定借させるUV印刷技術のうち、特に樹脂を厚盛りして独特の質感と光沢をもたらす印刷技術です。一般的なUV印刷と区別して「UV厚盛印刷」とも呼ばれます。また、透明樹脂を塗布して印刷面を保護し、耐摩耗性と艶・光沢を両立する「UV厚盛りニス」と呼ばれる技法にも使われます。価格面でも高いコストパフォーマンスを実現しています。 UV厚盛り印刷の魅力は、ご覧の通りの深い色と艶。一般的なオフセット印刷のCMYKでは発色できない色域・質感をカバーします。名刺・ギフトカード・結婚式の招待状など、インパクトと高級感、そしてクリエイターの「世界観」を表現したい印刷物への使用をご検討ください。 |
UV厚盛り
このサンプルは、赤地の上にUV厚盛り印刷の紋様を施し、地の部分とUV厚盛りした部分の色と光沢のコントラストを強調したものです。UV厚盛りには「エッジが盛り上がる」という技法上の特性があります。厚盛部分の高さがあるため、全面にUV厚盛印刷を施したのと同様のコスレの強さが期待できます。
名刺やプライスカードなどの裏面、あるいは結婚式などの式典に用いるネームカードの文字部分など、さまざまな部分にお使いいただけます。また、厚盛り部分に重ねての文字印刷も可能となっており、プライスカードの価格部分など、特に強調したい文字を際立たせることもできます。
見ても、触れても楽しめる印刷技法 ～フロッキー加工・フロッキー印刷～
柔らかな起毛が、目と指先を楽しませる。フエルトを思わせる柔らかい質感。印刷面に特殊な接着剤をつけ、細かい繊維を植毛するフロッキー加工は、まるで「ミニチュアの絨毯」のように触れる人の指先を楽しませます。起毛した繊維は光を吸収するため、全体的にマットで落ち着いた、あたたかみのある色彩・風合いが表現できるのもフロッキー加工の特徴。インクの色では再現できない、繊維が織りなす複雑な色の世界をどうぞお楽しみください。 また「眺めていると、手をのばして触れたくなる」のもフロッキー加工の強みです。このため、ポスターや電車の中吊りなど、多くの人の目や手に触れる広告物にフロッキー印刷が好んで採用されます。 |
ショップカード カラーフロッキー
カラーのフロッキーは、転写シートにのった繊維を着色し熱圧着する技術です。フルカラーが可能です。小ロットにも対応可能です。
鮮やかさと強さを兼ね備えた印刷技法 ～シルクスクリーン印刷～
印刷にアートを。あふれる豊かな色彩を。一般的な印刷物は網点のかけあわせによって表現されますが、シルクスクリーン印刷は1色ごとに顔料の版を重ね、重厚で深みのある色彩を表現します。鮮やかさ、深さ、強さ。どれをとっても他の印刷より表現領域が広く、このためシルクスクリーン印刷はアート作品に多く用いられます。特に一般的な印刷が苦手とするエメラルドグリーンから水色にかけての青系淡色のヌケの良さは他の印刷技法を寄せつけません。 なお、シルクスクリーン印刷は布地への印刷に適した印刷技法でもあります。河内屋(カワチヤ)では紙への印刷のほか、オリジナルTシャツやタオルなどへの印刷も少ロットから承っています。 |
厚盛り印刷
黒は照明の光などでもツヤがきれいに表れます。細い線やドットなど、こまかいディテールもきれいに表現できます。
まとめ
凹凸のある立体的な印刷物と一口に言っても、素材の違いや加工の仕方によって様々な質感を持つ印刷物が出来上がります。高級感のあるギフトカードや結婚式の招待状を送って特別感を演出したり、記念のオリジナルTシャツを作ってチームの輪を深めたり、使用用途はあなた次第。これまでにないあなただけのこだわりの逸品を作ってみるのはいかがでしょうか。