目黒のひかり陵苑様が新しいタイプの霊園を建設するにあたり、建築家安藤忠雄氏監修のもと、書架式の納骨堂というコンセプトを採用した際に、書籍型の骨壺を作成したいというご相談を受けました。
今までに例のない用途のものでしたが、貼り箱の技術と特殊印刷の組み合わせで、骨壺という故人への思いを受け止めるような品物を作れないだろうかと、サンプル作成と検討を重ねました。箱の表面は空押し(ヒートデボス)で絵柄が透かしになる特殊紙「OKフロート」を使用し、繊細かつ穏やかな涅槃的世界観を表現しました。内部や本の側面にあたる部分は弊社ノートでも採用している「天金加工」のイメージで、特別感や安心感を感じさせる仕様にしました。絵柄のラインナップも多種ご用意する必要があり、イラストや図案の提案を含めてお任せいただきました。
オリジナルの鍵をつけたり、背に木製の小さな仏像を貼付したり、他業種の加工技術も投入され、大変豪華で、かつ落ち着いた穏やかな雰囲気も両立された仕上がりになったと思います。