紙の可能性を拡張する表面加工技術
印刷物の表面に樹脂液を塗布したり、フィルムを貼り付けて艶を出す加工技術をラミネート加工といいます。求められる条件に応じてさまざまな技法がありますが、紙の弱点である耐水性や強度を高め、一般的な用紙ではできない用途の製品を作成することや、高級感を演出することが可能です。
薄いフィルムで表面を覆うPP加工や、厚手のシートで強度を高めるパウチラミネート、スポットでコーティング可能なLCコートなど、様々な方式があります。強い光沢からシックな艶消しの質感まで、選択肢は様々です。近年はホロフィルムを使った3次元的な表現や、他の特殊加工との組み合わせにより「紙で作られたとは思えないプロクト」の制作も可能となっています。アイデア次第で、従来別の素材で作成していた製品を紙で作成するなど、今までになかった印刷物の実現が可能になるかもしれません。
ラミネート加工(PP加工)サンプル
グロスpp加工
光沢・強靭性に優れ、内容物を保護する印刷方法です。写真のようなカタログ・パンフレットの表紙を豪華に魅せる加工法です。
表紙 用紙:ボンアイボリー180kg グロスPP加工 本文 用紙:ユーライト62.5kg 82p オールカラー 無線綴じ製本 |
ホログラムpp加工
ホロフィルムを使用し、美しくも強靭性に優れた印刷物。光の当たり方で綺麗に輝き、幻想的なイメージを演出します。
用紙:ボンアイボリー220kg ホログラムPP加工 オフセット印刷 |
マットpp加工+銀箔+エンボス加工
マットpp加工は、艶を消して深みのある落ち着いた効果を出す加工法で高級感を出したい本の表紙に使われます。右の写真では、銀箔とエンボス加工も施し価値を高めました。
用紙:ギンガムGA 220kg 銀ツヤ箔押し加工 マットPP加工 トムソン抜き加工 |
マットpp加工+スポットニス
マットpp加工に、文字の部分をニスで艶を出した加工を施しています。スポットニスは立体物を二次元でよりリアルに表現したい画像によく使用されます。
表紙 用紙:コート135kg マットPP加工 UVニススポットニス加工 本文 用紙:ユーライト110kg オールカラー 中綴じ製本 |
ラミネート加工(PP加工)の特徴と効果的な使い方
印刷物の表面を保護し、豪華さを演出
ラミネート加工(PP加工)にはさまざまな種類の技術がありますが、原則的にはなんらかの樹脂膜を印刷物の表面に形成し、印刷物に光沢を与えるとともに、撥水性や強度を高めることを目的としています。樹脂材を塗布する場合もありますが、現在ではフィルムを印刷物の表面に圧着する方法が一般的となっています。
質感を活かした特殊加工も魅力的
ラミネート加工(PP加工)は、今日では印刷物の保護というよりも「印刷物の表面に特殊な質感を持たせる」という目的で使用されることが多くなっています。またエンボス加工など他の加工技術と組み合わせることで、金属や皮革を思わせる特殊な質感を演出することも可能です。このような加工が施された印刷物は豪華さが増し、また人目を惹きつけるビジュアルインパクトがあるため、カタログ・パンフレットなどに高い人気があります。なお、ラミネート加工(PP加工)の耐久性と撥水性を活かして、レストランやカフェなど水を扱う場所でのメニュー/カード類、あるいは屋外に置くウェルカムボードとして用いるのも効果的でしょう。
ラミネート加工(PP加工)の注意点
- PP加工を行うと、やや色が濃くなってしまいます。これはPPフィルムおよび印刷インクの特性のためです。
- マット加工でも同じ現象は発生しますが、フィルムが乳白色のためあまり目立たなくなっております。また、濃い色の面積が大きいデザインだと、パウダーが白い点のように少し残ってしまうことがあります。
- 価格・料金につきましては個別にお見積りさせていただきますので、まずはご相談下さい。