活版印刷の魅力 ~印刷に「顔」があった頃~

 

 

活版印刷は、長らく印刷の主流でした。そしてDTPやオンデマンド印刷が全盛の現代でも、変わらぬ存在感で印刷界に君臨しています。

 

たとえば結婚式を例に挙げましょう。
結婚式は「一般の人が人生で最も印刷物にこだわるイベント」です。ペーパーアイテムでいうと招待状、席次表、席札、ウェディングカード、ウェルカムボード、メッセージカード……どれひとつとして、ありきたりで良いものはありません。送り手の「顔」が見えるような、個性的で味わい深い印刷物をつくりたい。そう考える方が数多くいらっしゃいます。
現在の印刷技術は非常に高度化されています。しかし性能だけでは、個性や味わいといった人間的な感覚には迫れません。唯一、人の手のぬくもりを伝える活版印刷が、こうしたニーズに応えられるのです。
近年、こうした活版印刷の魅力が世界的に再評価され、日本でも名刺、メニュー表、ポストカード、クリスマスカードなどに使われる機会が増えてきています。

 

 

現代の活版印刷 ~技法を重ねて新たな可能性を~

 

 

活版印刷は、「版の凸部を押し付ける」ことで紙にインクを盛る、力強い印刷技法です。しかしオフセット印刷のような微妙な色調表現には適していません。そこで、「オフセット印刷と活版印刷を組み合わせ、双方の長所を活かすことで、従来の印刷よりも表現域を大幅に広げることが可能ではないか」と考えました。写真のサンプルはその一例です。

 

また、活版印刷は版の圧力によるデボス加工(へこみ加工)も可能です。合紙加工で紙の厚みを増してデボスを強調したり、凹み具合に変化をつけて紙の柔らかさを表現することもできます。名刺、ショップカード、グリーティングカードなどに特に効果的ではないでしょうか。
カワチヤ・プリントは「活版の魅力を最大限に活かすにはどうしたら良いか?」という問題意識を持ち、あらゆる特殊印刷・印刷加工技術との組み合わせを試してきました。今後も活版の新たな可能性を追求していきます。

 

 

クリエイターのみぞ識るクリエイターの心

 

限界を知り、限界を越えるために

カワチヤ・プリントのファクトリーでは、多くの若手クリエイターが活躍しています。
新卒求人の半数は芸大出身で、「印刷を学び、自分の作品に活かしたい」という理由で入社した者も多くいます。

たとえば、写真右手の彼は油絵画を専攻していました。
油絵は油絵具の色だけでなく、重ね塗りによる質感や存在感、筆やナイフによるタッチなど、印刷表現が非常に困難な技法です。

 

彼は既存の印刷技術の限界を越え、油絵のような美術表現が印刷でどこまで可能なのかを追求するために当社で働いています。

 

カワチヤ・プリントは小さな印刷会社に過ぎません。しかし、ルネサンス期にボッティチェリ、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチなどの大芸術家を輩出したのもフィレンツェの小さな美術工房だったことを考えれば、当社のマエストロ(職人)の中から世界的なアーティスト・クリエイターが誕生しても少しもおかしくはないはずです。

 

人一倍色彩・表現にこだわりを持つ彼のような若者が、存分に学び腕をふるえる。カワチヤ・プリントはそんな研究工房でありたいと願っています。

 

創造なくして技術なし

2000年台の終わり頃、サンフランシスコやニューヨークでレタープレス(活版印刷)のブームがおきました。デザイナーがアトリエ内に古い活版印刷機を据え付け、レトロなテイストのギフトカード、名刺、価格表(プライスカード)、各種招待状などを制作するのが大流行したのです。たとえば結婚式場と提携して、ウェディング関連の印刷物(席次表・席札・結婚式メニュー表ほか)を一貫してデザインするなど、「レタープレス・デザイナー」は確立した職業として認められるようになりました。

 

しかし、私たち印刷会社にとって「活版印刷ができる」というのはスタート地点に過ぎません。
既存の活版印刷はすでに確立された技術です。その限界を越え、新たな活版印刷の魅力を創造してこそ私たちの存在理由があります。
創造なくして技術なし。だからこそ、私たちは「印刷のクリエイター集団」であることに強くこだわり続けています。

 

 

活版印刷への想い

 

プロは怪我の功名を期待しない

 

カワチヤ・プリントの代表をしております國澤良祐と申します。ひとりの印刷クリエイターとして、印刷には強い思い入れがあります。

 

「活版印刷の良さは、にじみやカスレなど、偶然に生まれる味わいだと思われている。しかし印刷機の整備不良や印刷工の技術不足から生じるのは『ムラ・ミス』であり、決して味わいではない。

すべてを計算し抜いてコントロールし、その結果生まれるものが活版印刷の本当の味わいだ。プロは『怪我の巧妙』を決して期待しない」。私はそう考えています。

 

若手社員にも確固たる技術力を要求し、名刺1枚といえども決して妥協しません。もちろん受注価格の大小にもまったく区別はありません。

 

確固たる技術力があってこそクリエイティブが生きる

なぜここまで技術力にこだわるのか。それは創造性追求のためです。

 

レベルの高いアーティスト・クリエイターほど高度な印刷技術を求めます。技術がない印刷会社に創造性を語る資格はありません。技術力という土台があってこそ、お客様にパートナーとして認められ、提案やアドバイスにも耳を傾けていただけます。

 

「ネットで注文を受け、宅配便で納品。そんな仕事は極力したくない。お客様と対面しながら用紙・インク・印刷技法について妥協のない話し合いを重ね、共に新しい印刷表現を追求していきたい。」 それが私の願いです。

 

先ほどの例でいえば、クライアントが結婚式場なら、結婚式で用いられる印刷物を、招待状、ウェディングカード、席次表・席札・結婚式メニュー表・・・とすべてデザインし、それぞれに異なる「活版ならでは」の美しさを追求していきます。

 

このような研究の果てに生まれた技術は、カワチヤ・オリジナルとして他社の追随を許しません。
それが私たちの強みであり、印刷クリエイター集団としての誇りでもあります。

 

 

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