はじめに
活版名刺は、活版印刷の魅力を小さな紙面に凝縮し、活版印刷のメリットを最大限に発揮できるツールです。
河内屋(カワチヤ・プリント)に活版名刺を注文されるのはほとんどがデザイナー様ですが、もっと多くの方に活版名刺の魅力をご理解いただき、ぜひ製作なさってみていただきたいと思います。
活版名刺の魅力 ~活版名刺は3度読まれる~
サンフランシスコやニューヨークの若手デザイナーたちが、古い活版印刷機をレストアして「手作り風のぬくもり感」やプレミアム感を表現するのに成功したことから、世界中の注目を集めるようになった「Letter Press(レター・プレス=活版印刷)」。
活版ならではの生き生きとした力強い文字やグラフィック。そして、ちょっとレトロなテイストは、デジタル全盛の今日において、ほかの印刷技法では得られないアナログな質感を表現できます。そのため、あえて活版名刺を選ぶデザイナーやクリエイターが日本でも増えています。
活版名刺はビジュアル自体にも強いインパクトがありますが、それに加えて、
- 一般的な名刺と同じく、まず受け取って眺める
- 立体感があることに気づき、光の角度を変えていろいろな角度から眺める
- 指先で文字をなぞり、質感を確かめる
といった具合に、受け取った方に3度読んでいただけるメリットがあります。
活版名刺は、デザイナー様はもちろん、クリエイター・個人事業主・営業職の方など、自分を際立たせ、個性を印象づけたい方に最適の名刺といえるでしょう。
活版名刺の事例紹介
株式会社カルネヴァーレ様は港区西麻布に本部を構え、KINTANブランドの高級焼肉店を赤坂・白金・恵比寿・六本木などに展開しておられます。
河内屋(カワチヤ)は、焼肉ダイニングの「六本木焼肉 Kintan」様と、 大人の牛割烹「赤坂 金舌」様の名刺およびショップカード、そしてその他の紙商材の印刷を手がけさせていただきました。
「六本木焼肉 Kintan」様の名刺
「六本木焼肉 Kintan」様の名刺は、お肉を連想させるブラウン地に蛍光レッドの色使いが特徴となっています。発色が生々しくならず、スタイリッシュで可愛く見えるよう苦心しました。
また、「Kintan」のロゴタイプを印象づけるため、ロゴ部分にデボス加工(活版空押し)を施しました。
デボス加工は、エンボス加工と同様、加工部分に奥行きを与える技法です。
エンボス加工ほど際だった立体感は発生しませんが、裏面に発生する凹凸を最小限に抑えられるというメリットがあります。
名刺のように両面に情報を掲載する印刷物では特に有効です。
大人の牛割烹「赤坂 金舌」様のショップカード
「赤坂 金舌」様のほうは、白地にロゴを活版印刷しただけのシンプルな仕上がりとなっています。
タイポグラフィーに込められたこだわりを最大限に表現するために選んだ手法です。
用紙には「パミス」という、フェルトマーク(フェルト様の柔らかい文様)が美しい厚手の紙を選び、
活版によってまるでインキを打ち込んだ…かのような立体感と存在感のある力強い視覚効果を発揮しています。
ご注文から製作までの流れ
活版印刷、とりわけ活版名刺では、紙の質感や色、文様、そして厚みなどを考慮して、最適な紙を選ぶことが重要です。このため河内屋(カワチヤ)では、まずお問い合わせくださった方に資料やサンプルをお送りしています。
それを見ていただいたうえで、メールや電話によって打ち合わせを行い、紙の決定~そのほか必要なデータの共有をしてから名刺制作を開始します。
また印刷表現は非常に感覚的なものですから、実際に弊社まで足を運んでいただき、詳細なご希望のニュアンスをお伝えいただいたほうが満足度の高い名刺が出来上がります。
実際に関東圏の方であれば、お目にかかって打ち合わせをすることがよくあります。さらに遠方の方でも、弊社まで足を運んでいただけさえすれば、もちろんスケジュールは調整させていただきます。
サンプル請求のご依頼から2~3日中にサンプルを発送。その後に打ち合わせをして、ご注文が確定してからは1週間程度で製作完了となります。
なお名刺という印刷物の性質上、「どうしてもこの日までに必要」といった至急のご依頼もあります。そういう場合は物理的に可能な限り臨機応変に対応させていただいております。